●●ストリートダンスと足の障害●●
~2013年12月20日の治療院のブログ記事をそのまま掲載させて頂いております~
あっ!と言う間に今年も残すところ、あとわずかですねえ。
午後は治療院に閉じこもりっきりなので気が付くのが遅かったですが、日が落ちるのもかなり早くなっていますね。
今月もダンスイベントや治療院以外でも、練習場所やスタジオなどでたくさんのストリートダンサーたちに会っています。
そんな中で今年を振り返ってみると、ストリートダンスのジャンルを問わず、
“足の障害”
が多かったと思います。
正確に言うと、足の障害とまでいかなくても、それになりかけているのでは?と思える様な症状です。
足の軽い変形であったり、足の筋肉の低下により細くなった足の指や、薄くなった足裏などによる足や足指の痛みです。
これらは皆、
“外反母趾”
(足の親指が内側に曲がってしまい、飛び出た指の付け根部分などに痛みが出る症状)
や、
“開張足”
(足の指の間にある筋肉が低下して、足指と足指の間が開いていってしまい、ショックを吸収したり、ジャンプ力のもととなる“足のアーチ”がなくなってしまう症状。ここから外反母趾を併発しやすい。)
などの前兆、または初期症状と言えるほどのものでした。
ヒップホッパー、ロッカー、ポッパー、アクロバットが得意なB-BOYなど、ジャンルや性別を多問わず、あらゆるダンサーにみられました。
私が考えてみますに、これはストリートダンスの技術が高度になり、より複雑になっていることに、ストリートダンサーたちがそれに適応した結果でもあると思えます。
技術に適応したのになぜ怪我が増えるのかと言いますと、足の障害に関して言えば、
“靴と言う道具を使いこなしている”
つまり、
“裸足ではできない動きができてしまう”
と言うことなんです。
そうしますと、靴を上手に使うことで楽に動けてしまいますから、足の筋力が低下したり、無理な力が加わって変形し始めたりすることが考えられます。
そしてそれは、ストリートダンスに限ったことではなく、他のスポーツでも同様です。
体質や遺伝などにより、なりやすい子もいるでしょうが、
小さいうちから裸足で遊ぶ、
ことをしておけば、かなり防げるのではないかと考えています。
(また、子供はサイズの合わない靴をはくことで足の障害が出ますので、そこにも注意が必要です)
また、和式から洋式の生活で、しゃがむ・立つ、などの動作が減り、履物もぞうりやゲタなどを履く機会もめったに無くなった為、足指が鍛えられることが極端に減ったことも原因の一つでしょう。
武道などは畳や床などでも裸足で行いますから、そういう意味で足がよく鍛えられる手段であります。
ただし、成長期の骨が固まりきっていない内は、武道に限らずハードにやり過ぎると必ず痛めるもととなるので注意が必要です。
最近、人気のあるサッカーや野球、また他のスポーツでも、チームに所属したりして同じ種目の動作を繰り返すことで、足に限らず特定の部分に負担が集中し、スポーツ障害のもととなります。
昔の子供がしてきた様な、自由に駆け回ったり木に登ったりなどできる環境があれば最高ですね。
しかし、現代は様々な要因により、それもかなわないことがほとんどでしょう。
成長期にある子供には、多様性のある運動、いろんな動きを体験させて、運動神経を発達させるだけでなく、部分的な体の負担も避けることができると言えます。
その様なことから特に小学生くらいまでは、あまり一生懸命になり過ぎず、いろいろな運動をすることと、足をよく使ってあげることが大切に思えます。
大人の場合では、骨も固まっているでしょうし、足の指のトレーニングや、裸足で少し動いてみる習慣を付けるとよいかと思います。
最近は靴下だけでなく、靴までも5本指のシューズがある様です。
それだけ、足、足指の大切さが認知されてきたのではないでしょうか。
あまり注目されない足ですが、ストリートダンスに限らずとても重要なところです。
足の痛みをかばっていると、膝や腰が痛くなることも多いです。
足のトレーニングと、裸足で軽く踊る。
これができたらいいですね。